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Uターンしてブドウ継ぐ/好感持てる農業にしたい/後継者の吉岡さん

2014.7.6

父親からブドウ作りを教わる勝美さん(右)
父親からブドウ作りを教わる勝美さん(右)

JA阿新ぶどう部会で第三世代の後継者が育ち始めました。産地をけん引してきた吉岡尊司さん(64)の長男・勝美さん(38)もその一人です。妻の由加里さん(45)と一緒にUターンし、今シーズンから本格的にブドウ作りに励んでいます。祖父や両親が30年にわたって築いてきた基盤やノウハウを受け継ぎながら、先入観にとらわれない新しい農業スタイルの確立を思い描きます。

勝美さんは後継ぎとして農業に専念する意思を固めました。「休みがなく、きついといった農業のイメージを変えたい」と志を抱き、サラリーマンを辞めました。会社勤めの経験を生かし、週1日は休暇がとれる労働環境や雇用、給料制の導入に意欲をみせます。

今は両親が整えた畑で学びながら、作業の一つひとつを習得中です。房づくりの確実で素早いハサミさばき、経験に裏打ちされる樹勢の観察力など、テキストや講習会で学べない技術を目の当たりにしました。早朝から日が暮れるまで働く両親を手本に「作業をこなすだけでなく、ブドウを作るという自覚と責任がわいてきた」と気を引き締めます。

1・1㌶の経営面積は部会の中では最大規模で、両親は「ピオーネ」を中心に加温と露地の栽培を組み合わせて労働分散できる体制を整えています。今年は家族4人で共同作業し、母の房子さん(60)は「細やかな栽培管理に手が行き届くようになった。作業面や技術面で何でも言い合って改善していきたい」と頼りにします。4人が共同経営体となって会社を立ち上げるのが目標です。

勝美さん夫妻は、手を掛けてやればやるほど返ってくると信じ、秋の出荷に思いをはせます。高齢化で作れなくなった周囲の畑を引き受けながら規模拡大を進め、「将来はこの土地で新品種の開発から加工品の商品化まで手掛けて雇用を広げ、産地を守りたい」と夢を描きます。農業の仲間を増やしたいとの思いでJAの青壮年部にも加入しました。尊司さんは「親を早く追い越し、引っ張っていけるようになってほしい」と技術の継承に力を込めます。