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夏イチゴ特産化へ初収穫/女性就農のきっかけに/新見の研究会

2017.1.7

夏イチゴの試験栽培に取り組む研究会メンバー
夏イチゴの試験栽培に取り組む研究会メンバー

女性農業者らでつくる新見イチゴ研究会が全国的に珍しい夏イチゴの栽培に挑戦中です。会長の多賀邦香さん(39)は、県が育成開発した新品種「岡山STB1号」を導入し、2年越しの試験栽培を経て、この冬、初収穫にこぎつけました。JA阿新の農産物直売所などの販売を視野に、高冷地の気候を生かした栽培技術の確立を進めます。

多賀さんは農家に嫁ぎ、子育てをしながら農林業に励んでいます。「女性や若者に農業に目を向けてもらい、地域での就農や定住を進めたい」。そんな思いから研究会を結成し、市の地域おこし協力隊・岡森安璃さんと共同で夏イチゴの特産化に乗り出しました。

国内で主に市場流通しているイチゴは、冬から春にかけて収穫期を迎えます。夏場もケーキなど業務用の需要があり高収益を見込めるものの、国内生産量は少なく、ほとんどを輸入に頼っているのが現状といいます。この端境期と希少性を狙い、冷涼な気候を逆手にとった経営戦略を描きます。

一昨年の春から新見農業普及指導センターなどの協力を受け、株の養成を始めました。今シーズンは市の特産品開発事業の委託も受け、ハウス内に高設栽培システムや加温用の薪ストーブを整備。1・5㌃分の1000株の栽培を本格化させました。

試験栽培では施設整備がずれ込み、苗の定植時期が半年ほど遅くなりました。それでも加温によってハウス内を5℃以上に保ち、11月中旬から果実が赤く色づきました。酸味がやや強く果肉がやや硬めで、製菓との相性が良いことなどを実証しました。

病害防除や加温調整の技術など課題を残しましたが、6月から12月の夏秋採りに手応えをつかみました。関係者は「市内の南北に長い気候風土を生かせば周年出荷にも対応できる」「直売所の新品目として売り場に彩りを添えてほしい」などと期待を寄せます。多賀さんは「真っ赤に色づいたイチゴはかわいいし、わくわくする。若者に夢と希望を与えられる農業にしたい」と笑顔をみせます。

収穫に成功した夏イチゴ
製菓におすすめの夏イチゴ「岡山STB1号」。真っ赤に色づき、夏秋採りに手応えをつかみました。