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水稲生産自ら受け手に/率先して地域盛り上げ/JA直接経営スタート

2017.5.18

JA阿新は新規事業として稲作の直接経営をスタートさせました。初年度は、水田の貸し出しを希望するものの作り手がいない、新見市内の組合員12人から4haの耕作を引き受けます。JAは既に、和牛の繁殖・肥育でも自ら農業経営に乗り出しています。水稲と和牛という基幹品目の生産を下支えすることで、率先して地域農業を盛り上げていきます。

今年度は作り手がいない新見市内の水田4㌶の耕作を引き受けます。
今年度は作り手がいない新見市内の水田4haの耕作を引き受けます。

JAは営農相談対応や出向く体制を強化するため、4月に組織改革を実施。農業経営事業で水稲部門を担う「農業経営センター」を新設しました。水田の貸し借りや作業受委託に関する相談の窓口となります。担い手農家や法人の分散した農地を集約して借りられるよう調整し、効率的な営農を支援します。農業生産も直接手掛けます。

農地貸し借りの募集や相談は昨年秋に始めました。計34件の相談が寄せられました。ただ、農地のほとんどは山間部にあり、好条件の水田ばかりではないのが実情です。借り受けを希望する地域内の法人などへの貸し出しを優先するものの、一部は受け手が見つかりませんでした。

JAがこうした農地の受け皿となって、稲作の継続に不安を抱える組合員に安心感を提供するため、自ら経営に乗り出しました。相談が寄せられたほ場の整備状況や水田機能などを、現地に出向いて確認。それぞれ所有者らの意向を踏まえながら協議を重ね、今年度は4割程度の利用権の設定にこぎつけました。

貸借契約や賃料の支払いは、県の農地中間管理機構を活用。事務手続きの負担を軽減し、農地の出し手は条件によって協力金を受け取れます。

今年は「コシヒカリ」「あきたこまち」「きぬむすめ」を作付ける計画で、5月11日に田植えを始めました。一部の水田で新しい生産資材を試すなど、低コスト・省力化の技術を探りながら良食味米の生産を目指します。同センターの田村雄二センター長は「水田の引き受けを増やし、事業を軌道に乗せたい」と意欲を見せます。山本日吉司組合長は「今後は水稲にとどまらず、園芸作物の生産や新規就農者の教育研修にも取り組みたい」と事業拡大を展望します。

田植えをする農業経営センター職員
田植えをする農業経営センター職員