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千屋牛の名声を民謡で/和牛文化を孫につなぐ/地元保存会デビュー

2017.10.26

JA阿新が産地振興に取り組む「千屋牛」を「牛追い唄」という民謡で伝承しようと、新見市千屋地区の住民らが保存活動を本格化させています。国内最古の蔓牛(系統牛)で和牛のルーツとされ、江戸時代から牛を売買する時に農家が唄い継いできました。全国でも珍しい民謡で、小学校の学習で子どもにも継承し、この秋のJAまつりで初めて披露しました。

JA阿新まつりで「千屋牛追唄」を披露する保存会

これまで市内外の有志で組織する保存会が継承。JA阿新まつりで毎年、全国大会を開いて披露していました。しかし、メンバーの高齢化が課題となり、昨年の25回大会を節目に区切りを付けました。
そんな中、千屋牛のふるさとである同地区で復活や継承の機運が高まり、地元小学校で月1回の学習会を始めました。保存会メンバーが出向いて児童に歌を指導。今年の夏には小学校3年以上の児童も加えて地元に保存会が発足しました。会長の坂口義弘さん(82)は「子どもの頃、家族同様に大事に飼っていた牛が売りに出される時は寂しく辛かった。当時のそんな農家の思いを孫ら後世に伝えたい」と目をうるませます。

歌詞の中では、体の大きさや品位など農家が誇りを持って育てた「千屋牛」を紹介。市場に持ち寄り、高知や鳥取、広島など全国各地に出荷されたりする場面を描きます。JAまつりでは、尺八の伴奏に合わせ児童が節を回し、当時の牛の売買のようすを劇にして伝え、観衆から大きな拍手が起こりました。児童への指導などで協力する金平敏数さんは「ふるさとに息づく千屋牛の文化を若い人たちに引き継いでほしい」と期待を込めます。