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ブドウ農閑期の仕事に/干し柿作りで周年雇用/フルーツカントリー熊野

2017.11.6

JA阿新ぶどう部会で唯一の法人である(有)フルーツカントリー熊野は、干し柿の加工販売で農閑期の仕事を確保しています。中国からの労働者だけでなく、今年度は県外から若者の就職も受け入れ、ブドウと干し柿で周年雇用を実現します。10月末には主力「ピオーネ」の出荷を済ませ、柿の収穫や皮むき、乾燥に取り掛かりました。JA農産物直売所の冬の商品として定着し、買い物客からは「やわらかくて甘みが強い」と好評です。

柿の天日干し。手でもみ、適度な乾燥具合を確かめます。
西条柿を収穫する従業員

果樹園は新見市南部の法曽地区、標高380㍍の石灰岩の台地にあります。吉備高原を見渡す園地で、ブドウ「ピオーネ」を主体に2.3haを栽培する他、柿「西条」を2haで手掛けます。日当たりや水はけ、風通しが良い気候風土を干し柿作りに生かしています。

干し柿の商品化にたどりついたのは10年前です。柿をはじめさまざまな果樹を栽培し、市場出荷していたものの、相場の影響を受けて販売が不安定でした。それでもこの土地で作る柿の作柄は、収量が安定しているといい、昔ながらの干し柿作りを試行錯誤しながら独自の製法を確立しました。

商品化した干し柿は、手でよくもみ、適度に天日干ししています。乾燥しすぎると硬くなりすぎるため、勘所の技術でやわらかく食べやすく仕上げました。適度に白い粉がふいた凝縮した甘みは素朴な味わいで、保存料などの添加物を一切使っていません。

今年も平年並みの収量を見込み、従業員が11月10日頃まで収穫と並行して皮むきの作業に追われます。よく晴れた小春日和を選んで乾燥させ、11月下旬からJAの農産物直売所で販売する計画です。来年のブドウ作りに向けたシバかきや剪定作業などの合間をぬい、真空パックに詰めて春先まで出荷します。

代表取締役の逸見力士さん(73)は「干し柿に加工にすることで安定した販売ができるようになった。人手不足や鳥獣害が課題だが、規模拡大も視野に田舎の素朴な味わいや手作りの温もりを伝えていきたい」と思いを込めます。

柿の皮むきに追われる従業員