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宮城全共の調教指導で/鹿児島県から感謝状

2017.12.20

第11回全国和牛能力共進会で、岡山県新見市に伝わる和牛の調教技術が鹿児島県の日本一獲得に生きました。同市和牛改良組合の調教の第一人者である宮本弘さん(82)が3年間にわたり現地へ通って指導にあたりました。12月13日にJA阿新本所で三反園訓県知事らからの感謝状を受け取りました。

感謝状を受け取る宮本さん

新見市に伝わる調教は、手綱1本で牛を歩かせたり、立ち止まらせたりします。農耕牛として和牛を飼っていた江戸時代より、中国山地の山間の狭くて険しい山道を歩かせるうちに編み出した技術です。牛を碁盤の上に載せる高度な芸当「牛の碁盤乗り」はその象徴で、今も地元の県立新見高校が継承に取り組んでいます。

宮本さんは中学を卒業後に牛飼いを継ぎました。全共が開催される1966年以前から全国規模の大会に幾度も出品した経験を持ち、削蹄師をしながらこの道を究める67年のベテランです。出品者としてだけでなく、裏方としても技術の継承に力を注ぎ、第1回から連続して全共に参加してきました。その経験と実績を買われ、今大会で岡山県代表の指導者を任された他、鹿児島県からも白羽の矢が立ちました。

大会の審査会場で改良や育成の成果をアピールする上で、牛をいかに美しくみせるか、調教技術の見せ所です。多くの県が牛の鼻ぐりを手で持つ方法を取り入れる中、岡山県は昔から受け継ぐ手綱1本と掛け声で牛を整列させ、姿勢よく立たせます。復興特別区(高校の部)で、全国和牛登録協会の宍戸勝人専務が「牛が微動だにしない」と調教技術を称賛したほどです。

伝達式で全国和牛登録協会鹿児島県支部の坂元信一副支部長は「卓越した調教技術をもって熱心に指導いただき、念願の日本一の称号獲得に貢献いただいた」とお礼を述べました。
宮本さんは「歴史ある和牛産地の技術を認めてもらい、微力ながら日本一に関われたことがうれしい」と喜びます。

宮城全共の本番に向け、調教技術をアドバイスする宮本さん(左)2017年8月